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こうしんりれき
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「んじゃ、頼むね」
もし気がついて暴れたりしたら、放り出して良いからね。
一番の配下のくせに言うことは随分容赦ないなあ、と、残された少女は苦笑して。
寝ている猫を撫でるような手付きで、茶の髪にそっと触れる。
無防備に、膝に頭を預けたまま目を閉じている青年に。
「……ばか……」
ちいさくつぶやいた言葉にも、まるで反応なし。
ふわふわとした感触の髪に指を絡ませて、かすかな温みに目を伏せる。

「見張りも警護もなし、か。あの忍も知らず毒されている、といったところかな」

主も主だ。こんな得体のしれないものの膝で、呑気にぐーすか寝こけるやつがあるか。
そこで、ぴくり、と肩がすくんだ。足音の全くない誰かさんが部屋に近付いてくる。
かすかな茶の香り。なにか甘い匂いも一緒のようだ。
「まったく」
苦笑はそのままに、伏せた目がぱちりと開いた。
襖の影からのぞいた樺色の髪に、ちいさく指を口元に当てる。
忍はひそめた声で、ありがとね、御苦労さん。そう笑った。


————————————
4-2と4-3の間…であっているだろうか(まだ会社…確認できず)
ちょこっと本性出たり女主。
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