こうしんりれき
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「忠勝、鎧は脱いでおけと言っただろう」 指定の場所に、いつもの出で立ちで彼は居た。槍こそ持っていないものの、それ以外は戦装束と変わりなく。 「……………」 「なに、怖い?」 なんて事を言うのだ、と返すが、忠勝もかたくなに首を振る。 「まあよいか。ほら、手を出せ」 差し出される腕が、小刻みに震えているのが分かった。 戦国最強がなにを恐れるか。けれど、彼の言い分も分からなくはない。 『これ』は怖かろう————敵よりも、はるかに。 「小さく見えるなあ」 片方の掌で充分なのではと思うほど。けれど、忠勝はちいさな固まりをこわごわと、両の腕で支えている。 兜越しの眼は、その温もりから動くことなく。 「ほらな、泣かぬと言っただろう」 「……………」 黒々とした瞳をきょとんと見開いたまま、赤子も間近の忠勝を見返している。 「父親似だと言うておったぞ」 「………?」 「分からぬか? 目鼻立ちは凛々しいし、なにより大きいらしい」 もっとも、比べるほかの赤子を知らないのは、自分も同じだから受け売りだが。 「…………」 「男の子なんだから、父似も大きな体躯も困らんだろうに」 もう泰平の世なのだから、この子が戦場に出ることはなかろうがな。 「もう少し抱いててやれ。落ち着いているではないか……と」 怖いから、とこちらに赤子を返そうとする忠勝を軽くにらむ。 ———————————— なんで没ったかって、名前変換が出てこないのです。明日リベンジ予定。 PR ![]() ![]() |
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